アイゴンがガチンコ試奏!注目ディレイ11機種の実力
知れば知るほど奥深い
ディレイってなんだ!?
バッキングにもソロにも大活躍するディレイ。音が遅れて返ってくるというだけの、シンプル極まりないエフェクトなのに、その可能性は幅広く、奥深い。ここでは、そんなディレイについてのアレコレを知ってみよう! この魅惑的なエフェクター、さて、あなたならどう使いこなす!?
ディレイってなんだ!?

 「ディレイ=遅らせる」「エコー=こだま」などと、さまざまに呼ばれるこのエフェクター。どちらも同じ意味合いで、入力された音が遅れて返ってくる効果を生み出す。では、どうして「音が遅れて返ってくる」のか!? まずはその原理を簡単におさらいしておこう。実は驚くほど原始的かつシンプルなのだ。
テープ・エコー
 最初期に用いられていたのは、テープ・エコー。その名の通りテープ(磁気テープ)を媒体としていたもので、ディレイ/エコーの構造を理解するのにも持ってこいのエフェクターだ。構造は簡単。グルグル回るテープに録音した音を、別の再生ヘッドが再生するだけ(図1)。録音ヘッドと再生ヘッドの距離、もしくはテープの回転するスピードが、すなわち返ってくる音のタイミングとなっていたわけだ。元ディープ・パープルのリッチー・ブラックモアなどは、それこそティアックの3ヘッド・オープン・テープ・デッキを利用していたというぐらいだから、実はとてもシンプル。エフェクターとしてのテープ・エコーも、より複雑な効果を生み出すため、再生ヘッドの数を増やしたり、リバーブなどの付加要素を加えたものがあったが、基本はテープ・デッキを活用するのと同じだ。このタイプは、テープならではの音色や良い意味で不安定なテープ走行速度などが独特の味を加え、根強いファンも多い。ローランドのRE-201やコルグのSE-500などはベストセラーとなった。
アナログ・ディレイ
 テープの代わりに、アナログ遅延素子(BBD)を媒体としたディレイ。BBDとは、イメージで言うとバケツ・リレーのように信号を次々と伝達していくことで、遅延を生み出す回路のことだ。信号処理スピードや回路間で発生してしまうクロック・ノイズなどの弱点もあったが、アナログならではの絶妙な音色変化や音質が味でもあった。
デジタル・ディレイ
 現在最もポピュラーな構造で、アナログ信号をデジタルに変換して記憶、それを任意のタイミングで出力することで遅延を生み出すタイプ。テープのように、録音ヘッドと再生ヘッドが物理的に離れざるを得ないものとは比較にならないほど、短いタイミングでの遅延も可能になったうえ、逆再生などの荒技も実現してくれた。

 いずれにせよ、機能や音色などに長所・短所(と言うより、歴然とした違い)があり、どれを選ぶかはまさにあなたの好み次第。ただ、ディレイ選びをするうえで、それぞれの特色(機能・価格・メンテナンスの重要度など)を把握しておくにこしたことはないだろう。
 

ディレイ用語の基礎知識

 歪みエフェクターならドライブ、トーン、レベルと、説明書を見なくてもわかりやすいのに、ディレイは、意外とコントロールの意味が把握しづらい。そこで、ここではディレイ用語を簡単に解説しておこう!
ディレイ・タイム
 遅延した音(ディレイ音)が鳴り始める時間を設定する。モデルによっては、ショート/ロングなどとモード切替ができ、対応する時間が変わるものもある。ディレイ、タイム、リピート・レートなどと表記されることも。
フィードバック
 ディレイ音を何回繰り返すかを設定する。インテンシティ、リピートなどと表記されることも。
ディレイ・レベル
 ディレイ音の音量を設定する。原音とエフェクト音の混ぜ具合を設定するタイプは、ミックスなどと表記されることも。
マルチ・ヘッド
 再生ヘッドがひとつなのか、複数なのかを設定する。シングル/デュアルなどという表記も。



以上が設定に関する基礎用語。次にディレイを使った効果や機能についても触れておこう。
スラップ・バック
 ロカビリーやサーフ・ミュージックで多用されるショート・ディレイ。
ピンポン
 ステレオ出力時に、ディレイ音が右→左→右……と、まさに卓球のように飛び交う効果。途切れず左右を行き来する場合は“パン”と呼ばれる。
リバース
 デジタル・ディレイで可能な逆再生。
ループ
 超ロング・ディレイ(もしくは複数のディレイ)を活用した多重録音演奏。
タップ・テンポ
 専用のスイッチ、もしくはペダルを叩く(踏む)ことで、そのテンポをディレイ・タイムに設定する機能。
知らなきゃ損するディレイの接続法

 エフェクターの接続順に、基本はあっても鉄則はない! ただ、どこに何をつなぐかでその効果は大きく変わってくる。ここでは、複数のエフェクターを使う場合のディレイの接続順の基本を知っておこう!
エフェクター接続の基本
 ギターの場合、オクターバーなど【ピッチ変化系】がまず最初(図2のA)。次にコンプなど【ダイナミクス系】、ワウが来て、ディストーションなど【歪み系】をつなぐのが基本だ(B)。正確な音程やレベルを補正するものは、なるべく素に近い場所にってこと。さらにフェイザーやフランジャーなど【モジュレーション系】をつなぎ、今回の主役ディレイやリバーブなど【空間系】は最後となる(C)。あくまでも基本だが、接続順によっては本来の効果が得られなかったりするので、気をつけよう!
ボリューム・ペダルの前?後?
 これも正解はないが、効果は大きく異なる。例えば、ディレイの前にボリューム・ペダルをつなげばペダルを踏み切って消音しても、ディレイ音は残る。その反対の接続順だと、ボリューム・ペダルを踏み切ったときにディレイ音もそこでスパッと消えるわけだ(図3)。
センド/リターン
 「ディレイ効果はキレイに使いたい」「歪みはしっかり出したい」という人は、アンプのセンド/リターンにディレイをつなぐべし! これなら、アンプに直接つないだ音とディレイ効果が分かれるため、クリアーな効果を得られるわけだ。
 
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ギター・マガジン 2008年1月号
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この記事は、『ギター・マガジン』2008年1月号の特別付録「ギタリスト・ハンドブック2008」に掲載しています。

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