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リッチーのスキャロップド加工と極太アーム
リッチー・ブラックモアのストラトキャスターの特徴として、スキャロップド加工と、極太アームが挙げられる。
スキャロップド加工というのは、指板のフレットとフレットの間を波型(真横から見た場合)にえぐること。1969年ごろ、つまりストラトを使うようになったかなり初期の段階から、これを施している。
ちなみに、70年代半ばあたりまで、すべてリッチーが自ら手作業で指板を削り取っていた。
彼は、「ギブソンからフェンダーに移行したときは、本当に苦労した」とインタビューで語っている。その原因のひとつは、ストラトの指板のアールのきつさからくる押弦のしにくさにあったのだろう。それを解消するために、スキャロップド加工を思いついたのだと思われる。
中世からヨーロッパで用いられてきた弦楽器、リュートの指板は、ルネッサンス期以降、このスキャロップド加工が施されるようになった。
クラシック音楽を愛好するリッチーが、そこからヒントを得たことはまず間違いない。
余談だが、明らかにリッチーからの影響でスキャロップド加工を施しているとしか思えないイングウェイ・マルムスティーンは、自分はリュートを見てこの加工を思いついたと言い張っている。
なんだか、イングウェイのかわいさを感じさせるエピソードではある。
この加工によって、速弾きがしやすくなる、チョーキングがしやすくなる、ビブラートをかけやすくなるなど、いろいろな利点があると言われている。
確かにそういう面もあるのだろうが、それらは副次的なものであり、あくまでもリッチーの当初の目的としては、いかに押弦をしやすくするかという一点に限られていたのではないかと思う。
極太アームはもちろん、激しいアーミングをしても折れることがないようにだろう。そして、これも副次的なものかもしれないが、その太さのためにグリップしやすくなり、アーミング自体がやりやすくなったのではないか、と思う。
ただし、1973年あたりからは、通常の太さのアームを使うようになった(長めのものを使うことはあったが)。
これは、裏側のスプリングの数を減らしたこと(5本から4本へ)と、それまでのような激しいアーミングをしなくなったから、と言われている。
確かに、アームも折れんばかりのプレイは、『ライヴ・イン・ジャパン』こそがその絶頂であるように思える。
さて、話が長くなりすぎたようだ。最後にひとつだけ付け加えておきたい。
日本で録音されたロックの名ライヴ・アルバムはいくつもある。
ベック・ボガート&アピスの『BBA・ライヴ・イン・ジャパン』、サンタナの『ロータスの伝説』、マウンテンの『異邦の薫り』、ボブ・ディランの『武道館』、チープ・トリックの『at武道館』、エリック・クラプトンの『ジャスト・ワン・ナイト』……。
それらの魁となったのが、このディープ・パープル『ライヴ・イン・ジャパン』だった。

エリック・クラプトン
『ジャスト・ワン・ナイト』
[Blackmore's Night - The Official Ritchie Blackmore](英語)
[The Highway Star - The original Deep Purple web pages](英語)
[The Deep Purple Appreciation Society](英語)
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【著者プロフィール】
細川 真平(ほそかわ しんぺい)
音楽ライター。
ギター誌、音楽誌、ムック等の記事を多数執筆。ジェフ・ベック、スティーヴィー・レイヴォーン等、CDライナーノーツも多数手がける。
『ギター・マガジン』では「ロック・レジェンド紳士録」を連載中。
- [2008年11月13日 18:33]

















