コラム/セミナー > 加茂フミヨシ式 一歩先を行くギター・トレーニング
【動画付】著者たちの語らい--宮脇俊郎&加茂フミヨシ(3)
教則本の著者たちの素顔に加茂フミヨシが迫る対談。この対談からギター上達の秘訣を盗め! 今回は両者のギターバトル動画付き(豪華!)
【ゲスト】宮脇俊郎(3) ギターの楽しさ、そして“タ××××”の楽しさ
加茂:宮脇さんというと、やっぱり「カッティング」「チョーキング」というイメージがあるんですけど……
宮脇:カッティングに関しては、リットーミュージックから出版されている本『よくわかる音楽著作権ビジネス』の著者、安藤和宏さんという人がいまして……、
加茂:は? 著作権の本? それもリットーミュージックの?(著作権とのつながりが理解できず困惑気味)
宮脇:その人が僕の大学の先輩なんですね。それで、山下達郎のコピーバンドをやっていて、カッティングが抜群に上手かったんですよ。
加茂:あー、先輩ですか(やっと納得)
宮脇:その当時、僕は速弾きも練習してたし、けっこう弾き倒していて、「宮脇さん、上手い、上手い」と言われていたこともあったんです(笑)……けど、そのとき、カッティングだけは、どうにもならなくて。
加茂:だめだった、と。
宮脇:ええ、僕の下宿の8畳間で安藤さんのカッティングを目の前で見たときに、ショックでした。全然違うんですよ。
加茂:具体的には?
宮脇:当時はテクニカルギター全盛の時代ですから、「いかに抵抗を少なく速く音を弾くか」といったことに特化した、合理性を追及したところに目がいっていたわけですよ。みんなハードロックやっててね。だからもう、カサカサカサカサ…って、ピックなんかほとんど出てない状態で。
加茂:ああ、ピッキングハーモニクスにすぐに行けるような状態だ。
宮脇:そうそう! 僕、1年間はウォーレン・デ・マルティーニの弾き方で弾いてたほどです。
加茂:あはははは。ウォーレンといえば、右手中指ピン立ちスタイル(編注:厳密にいうと、中指・薬指・小指の3本とも伸ばしたスタイル)に特徴がありますね!

宮脇:その次の半年はジョージ・リンチでした(笑)
加茂:うぉー~~、フラッシーだ!!
宮脇:アクションまで真似てましたからねぇ。
加茂:本当に?
宮脇:ええ、そんなわけで、自分はカッティングにおける“いい音”というのも知らなかったし、そういうルーツもなかったから、間近で見た安藤さんのカッティングにびっくりしたわけです。
加茂:ああ~、そうかー。
宮脇:それがハタチの頃です。
加茂:そこから、どうしていったんですか? 単純にフォームを直せばカッティングできるというものでもないように思うのですが。
宮脇:僕の場合は幸運にも、松原みきさんのところに拾われてから、「こういうの聴いたほうがいいよ」って、AORとかを紹介してもらってね。
加茂:ああ、なるほど。
宮脇:でも実際は、あまり聴く耳持たずでしたね(笑)
加茂:あれ?そうなんですか?
宮脇:ホント、今となっては、若い人には「聴く耳持っておいたほうがいいよ」って言いますけどね(笑)そのほうが絶対いい!
加茂:なんだか宮脇さん、イメージと違いますね。
宮脇:僕、温和な感じに見られやすいんですけど、メッチャ頑固で(笑)、自分でやってみて失敗しない限りは受け入れないんですよ。そういう性格的な偏狭さはありますね。
加茂:ええー? 意外です。
宮脇:それで、15年ぶんくらいロスしてますね(笑)
加茂:じゅ、15年……
宮脇:でも結局、今思うのは、どんなフォームでどんなピックでも、上手い人は上手く弾くんですよね。どんな機材でもね、なんとか良い音にするんですよ。たとえばアンプがハイ上がりすぎるセッティングだったとすると、ちょっとネック寄りで柔らかく弾くとか、調整してなんとか自分の音色を出そうとしますよね。
加茂:ああ、そうですよね。
宮脇:そうなんです、イメージとしての“自分の出したい音”がまずちゃんとあるということなんですよ。
加茂:ええ、ええ、そういうことなんですよね。
宮脇:そうです、そういう音をつかめるように、イメージが大事ですよね。難しいことですが。

加茂:僕は、宮脇さんのプレイを真近で聴かせてもらって一番思うのは、音がデカイって感じがするんですよね。
宮脇:音量が?
加茂:かといってボリュームがデカすぎるわけじゃないんです。音が前に出てくるような感じっていうんですかね? そのへんにこだわりがあるのですか?
宮脇:それは、ありますね。
加茂:なにか秘密が?
宮脇:それを言うわけにはいかない……な~んて、なんにもないですけど(笑)、ただ、他の人の音は聴くようにしてはいますね。他人の音を聴いていて、その中で自分の音を決めるというか。たとえば他の人が弾いているときには抑えますけど、手元でそれを調整しますね。
加茂:強弱ということですか?
宮脇:ピックをこう、グッと持つか、フッとゆるめに持つかっていうのは意識していますね。あと、ネック寄りだとハイが抜けないとか、弾く位置は常にコントロールしてますね。
加茂:ところでこの本、『ギター基礎トレ365日!』は、ものすごく譜例多いですよねぇ。

宮脇:多過ぎですよねぇ。何かの間違いでは?と僕も思いましたよ(笑)
加茂:これって、どういう心境なんですか? 作ってるときって。
宮脇:大変でしたねぇ……なんか、尋常じゃない心理状態で(遠い目)
加茂:大丈夫ですかー?
宮脇:去年の中旬くらいに企画を受けて、夏には原稿書き終えるかなぁと思ったのですが……もう、いくらやっても終わらない(笑)。書いても書いても終わらない……全然終わらない。
加茂:うわぁぁ。
宮脇:気がついたら、譜例を出し終えたのが年末で、大晦日~元旦の昼間にかけて休んだだけで、あとは1月1日の夕方からずっとレコーディング……それも一人で。一日17~18時間くらい。
加茂:マスタリングの日が決まっていたのですね。
宮脇:そう。だからこの本で一番練習したのは僕ですよね(笑)。
加茂:(爆笑)
宮脇:ホントにギター上手くなりましたよ! 自分で言うのもなんですけど。
加茂:僕だったら、こんなに譜例を思いつかないですよ。どうやって考えるんですか? ネタがなくなること、ないんですか?
宮脇:いつも、新しい本やDVDの企画をもらうと、「いや、もうネタないっす」って言うんですよ、そこから始まる(笑)
加茂:僕には無理だなぁ。宮脇さんの本って、毎回、必ず何かヒネリがありますよね。あれは、いつ考えてるんですか?
宮脇:レッスンがいつも僕にとってはチャレンジなんですよね。
加茂:生徒にレッスンしながら思いつくってこと?
宮脇:ええ、そうですね。レッスン中にひらめくことが多いんですよ。たとえば最近は、5連符の練習についてなんですけど。
加茂:ほぉ、5連符。
宮脇:そう、でも5連符が目標ではなくて、5つの言葉を16分音符のリズムで言うという訓練です。リズムとフレーズの分離ができてないとテンポキープできなくなります。昔は、5つの言葉というと「イケブクロ、イケブクロ」と言いながら訓練をしたものですが……いわゆる“池袋トレーニング”ってヤツですね。でも今はそれやってないんですよ。
加茂:へぇ、新しいトレーニング法が?
宮脇:ええ、今は“食い倒れトレーニング”に変えました。
加茂:なんすか、それ?
宮脇:「大阪名物」って言うと、これ16でしょ?(4/4拍子で、1拍目でオオサカ、2拍目でメイブツと言う場合)。それでそのあと、「クイダオレクイダオレ……」って続けます。5連符じゃなくて16分音符のリズムで言うのがポイントです。
加茂:な、なんで? それどんな効果があるんですか?
宮脇:それは、"「くいだおれ」が閉店"っていうのが大きな理由のひとつです。
加茂:(声なき笑い)……そ、それで……
宮脇:そういうふうに面白く、楽しく、生徒がウキウキした感じでやれないとダメだなぁて思って。ちょっとチープさもあったりするネタがいいなぁって、いつも考えてますね。それに、「くいだおれ」って5連符でしか言えないですからねぇ、ホントに。大阪名物と同じ16分音符のリズムに乗せて言うと、ほとんどの人がコケちゃう。
加茂:大マジで。
宮脇:そう、ギャグだと思ってバカにしてて、実際やってみたらできないっていうのはすごいショックでしょ?
加茂:なるほど、なるほど。よくそういうの思いつきますよねぇ。さすがだなぁ。
加茂:宮脇さん自身は、自分の練習にどんなことをしてますか? たとえばウォームアップは?
宮脇:あんまり決めてないですけど。ただ、ちょっと調子が悪いかな?って日があるじゃないですか。そういう日は右手に比重がかかっているんですよね。右手に力が入りすぎちゃっているというか。それで、あえて左手指のフレーズをやりますね。たとえば速いハンマリング・オン/オフでのクロマチック・フレーズ。それで、左手になんか「キターッ!」って感じがするまでやります。そうすると、右手の力がいい感じで抜けるんですよね、ブラーッとした感じに。

加茂:右手がリキまなくなるということですか?
宮脇:うん、左手が弦をはじいている感じをつかむまでやると、右手がいい感じになりますね。これで左右のバランスがよくなるんですよ。
加茂:なるほど。
宮脇:あとは、アルペジオもやりますね。それから、フレーズを歌いながら弾いたり。
加茂:自分が声に出したフレーズと同じ音を弾くわけですよね?
宮脇:ええ。あと最近は、弦を跳ばしたり、中指を使うピッキングをやりますね。
加茂:それって、カントリーの影響?

宮脇:いや、カントリーからではなくて、普通にドリアンを弾くと、なんか平面的な感じがするんですけど、跳ばすことによって、立体的になるので。
加茂:ああ、なるほど。
宮脇:なんか違う雰囲気が楽しめるでしょ?
加茂:ええ。かなり右手を使うんですね。
宮脇:それに指弾きもします。ピックをしまうの速いんですよ、僕。
加茂:メロウな感じのタッチの方向なのかな?
宮脇:どうなんだろう? こんなふうに親指も使うし、音色が変わるのか好きなんですね。
加茂:ああ、そうか、音色重視なんですね。
宮脇:ロベン・フォードとか見るとね、同じ地球の人とは思えないですけどね。ひとつひとつの音がね、完璧なんですよね。
加茂:先月、野村さんとの対談でもロベン・フォードの話になりましたよ。ロベンははすごいですよね。
加茂:宮脇さんの、ギタリストとしての技術的な目標は?
宮脇:お客さんに楽しんでもらえて、やってて自分も気持ちいい、そんな自分のスタイルってどういうのだろう?って考えていて……『クール・ジャズ・コレクション』も続々と我家に届いてはいるんですけどぉ……(笑)。
加茂:でも、そうじゃない方向で?
宮脇:ええ、わりと自分的には「イエ~ィ」って感じというか、“隙間がある感じ”の音楽が好きなんですよ。クランチな感じも好きだし。
加茂:では、ソロアルバムのご予定などは?
宮脇:この夏、曲を書いていて、ひそかに計画立ててたんですが、なかなか……ほとんど時間なくて。
加茂:どんな内容になりそうなんですか?
宮脇:インストです。僕のDVDなどでデモ演奏しているような、ちょいブルース系インストですね。
加茂:歌ものより、インスト?
宮脇:ええ、ソロはインストですね。それとは別に趣味のバンドとして活動しはじめているのもあるのです。そちらはボーカルがいます。
加茂:楽しみですね。それはどんなバンドですか?
宮脇:まず、コピーバンドから始めようということで、リハ2回やりました。モトリー・クルーとかUFOとか(笑)
加茂:へぇ~、モトリー・クルーね。

宮脇:ボーカルがモトリー・クルー命なんで……もう40歳なんですけど。ドラムもサポートで知り合った方なんですけどね。で、もう一人のギターが野村大輔っていうギタリストなんですが知ってます?(笑)
加茂:野村大輔(笑)どっかで聞いた事ある名前だ(笑)なんだ、そうなんだ! 楽しそうだなぁ。
宮脇:オリジナル曲も作っていて、3曲デモ録りました。仮タイトルも付けてるんですよ、「シークレット・プロミス2008」とか。カッコイイでしょ?(笑)
加茂:くっくっくっ!
宮脇:あと、「ジョン・ボヴィ2008」とかね。
加茂:ハードロックなんですねぇ。それは楽しみだなぁ。
宮脇:もう、ホワイトスネイクの新譜かぁ?っていうくらいの音ですよ。誰もそう言ってくれないですけどね(笑)
加茂:なるほど、ソロとバンドの2つが進行中なんですね。
宮脇:ええ、極秘進行中なんです。野村大輔氏と(笑)
加茂:ぜひ、いろいろ決まったら教えてくださいよ。ライブレポート書かせてくださいよ!
宮脇:ありがとうございます。僕がジョニー・ディップのコスプレでステージに立つということは決まっているんですよ。大ちゃん(野村大輔)がどんな格好で出るかはまだ決まってないですが……ま、そんなふうに見て楽しめるバンドにしたいんです。肩肘張らずに、“大好き”っていう音楽を作ってみようと。
加茂:プロを目指している読者から、よく「どうしたらプロになれるでしょうか?」と聞かれませんか。
宮脇:ええ、よく聞かれます。
加茂:宮脇さんは、プロって、どういうものだと思っています?
宮脇:10年前くらいに、高校生くらいの生徒が来て、2、3回レッスンしたら、その子が「ところで先生はプロなんですか?」って……(笑)
加茂:(爆)
宮脇:そのときに、「もちろん!」と言い切れなかった自分が……
加茂:そんな……
宮脇:世の中には、いろんなギタリストの形がありますよね。僕は若い生徒さんには、「音楽で食っていきたいのか、それともプロのチューバ吹きになりたいのか?」って聞くんです。
加茂:チューバ吹きですか。
宮脇:ええ、チューバってオーケストラでも募集が少ないし、就職できる確率の低い楽器ですよね。かといってソロ活動も活発にできる楽器じゃないし。でも、チューバを選んだ人たちは、食える食えないを考える以前に、とにかくその楽器を極めようとしてるわけですよね。それってすごくいいことだと思うんです。音楽で食べていこうと思うのも、もちろんいいのですが、そうじゃなくても、自信を持って、しっかり演奏できるようになるっていうことが、プロになっていくということじゃないかな、と思うんですよ。
加茂:なるほど。
宮脇:たとえば、会社勤めをしていて、週末に好きな音楽をやるっていうような音楽人生だって、いいじゃないですか。ウェス・モンゴメリーだって、ずっと工員として働いていたんですよ。だから、そういうのもアリなんですよ。「自分はどういう形で音楽をやっていきたいか」を考えることが大事なんだと思います。

加茂:わかった! 宮脇さんは求道者なんですね。ギターを弾くこと、その価値を見つけ、追い求めているというか。
宮脇:「有名になりたい!」と思ったことだって、もちろんありますよ、若いころはね。でも最近は、どこで何をしているかっていう“形”は関係ないんじゃないかと思います。どこで何をしてても、自分で価値があると思えば、あるんですよ。
加茂:わかります。でも生徒たちには、「すでにプロだから、そういう余裕の発言ができるんだ」って言われるでしょうね。すでにスキルがあるから。
宮脇:たしかに、それは一理あるかもしれません。でも僕だって、いつも不安なんですよ。いつだっていっぱいいっぱい!
加茂:そんなふうには見えませんが。
宮脇:ごく普通の人間なんですよ。だからレッスンに来てくれた人が、あまりにどこにでもいそうな雰囲気の人間なんで、肩すかしを食らうケースもあるほどです(笑)
加茂:では最後に、プロになりたいと思っている読者にメッセージを。
宮脇:ええーっと…あのー……「夢はきっと叶うよっ!」……なんてことは言えませんしねぇ(笑)
加茂:(笑い過ぎ)
宮脇:僕もね、大学生の時にギター・クリニックレッスンを受けて、「プロになりたいと思うんですけど、なれるでしょうか?」って聞いたことあるんですよ(笑)。そしたら、「そんなんじゃダメだー!」って怒鳴られました。「なる!」っていう強い思いがないとダメだ!って。
加茂:気合だ!と。
宮脇:気合です(笑)。ま、でも、スーパー・ギタリストになるばかりが人生じゃないということ、つまりギターを好きだとしてもいろんな関わり方があるということは知ってください。スーパー・ギタリストがこう、“ファイアー!”って感じで、聴衆を熱い感動でメラメラと染め上げていくとすれば、僕の場合はどっちかっていうと、火のつけ方のノウハウを教えてあげる、そこに生き甲斐を感じたりしてます。火がついたら、ある種それは感動が伝わったとも言えるわけで。その代わり、その後どう燃やしていくかはお互い頑張っていきましょ~!みたいな。ただ、流行ばかりを求めて、スポットライトを追い駆けるのはちょっと違うかな、と思いますね。今、売れている人たちも、自分のスタイルで好きなことをやっていて、その結果としてスポットライトが当たったってことなんじゃないかと思いますね。
加茂:ああ、そうですね。たしかに、僕もそう思います。いや~、今日は良い話が出来ましたよ !ところで宮脇さん! その「そのくらい“大好き”っていう音楽を作ってみよう」というスタンスに僕もちょっと乗っからせてください。さすがに「シークレット・プロミス2008」は僕には弾けなそうですけど、宮脇さんとハードロック一緒にセッションしたいですね! 今回は卓球話で盛り上がりまくったので(編注:対談第一回目参照)、たとえば「テーブル・テニス・ジャム」っていうタイトルの曲とかどうですか??
宮脇:面白いですね~、久しぶりにウォーレン式中指ピン立ちピッキングで弾きまくっちゃおうかな。あ、あとバック尾関(編注:対談第二回目参照)にも敬意を表して、マイケル・シェンカー、いや、ミヒャエルな感じでも弾きたいっすね。卓球の試合も実際にやっちゃいましょうよ。
加茂:おぉ~~~、最後に盛り上がってきた! それではリットーミュージックの卓球部同好会も誘いつつ!
宮脇:よっしゃ、では行きましょう!
[宮脇俊郎との対談・完]
※再生ボタンをクリックすると、宮脇俊郎と加茂フミヨシのギター・バトルが始まります。
【この音源について】
この音源は、本対談中に最大の盛り上がりとなった「卓球」をキーワードに宮脇氏が作ったオリジナル曲で、タイトルは「テーブル・テニス・ジャム」(以下T.T.J.)。
音源を作るにあたって、実際に加茂氏と宮脇氏は卓球をやりにいって(審判が野村大輔氏だったようである)、その模様をビデオ録画し、そのビデオを見ながら彼らのルーツでもあるハードロック・スタイルで音源を作っていったとのこと。
疾走感のあるテーマ・メロディから始まって、1分27秒のファースト・ソロは宮脇氏。LAメタルを意識したフラッシーなフレージングが聴ける。アーミング、やピッキングハーモニクスによるワイルド感、リズムをタメながらいきなり速弾きを入れていくというスリリングな演奏だ。
1分39秒からのソロは加茂氏。Aドリアンを基調にしながらもフル・ピッキングでゴリ押しする速弾きソロで対抗している。ドリアン・スケールを使いながらも、ペダル・ノートを使って若干クラシカルな音使いを狙っているところがポイント。
1分50秒からのソロは再び宮脇氏。ここでは一転してチョーキングで泣かせるようなフレーズが特徴となっている。ここでも、宮脇氏のリズムのタメが光っているので要チェックだ。
2分1秒からのソロは加茂氏。マシンガン・ピッキングによる駆け上がりフレーズから、ノンピッキング奏法によるレガートに右手のタッピングも加えて非常に速いソロになっている。ただ速いだけでなく、フレーズをきちんと終わらせているところをチェックしてもらいたい。
エンディング部では曲がジャズ調に一旦代わり、最後に再び盛り上がって終わる。ハードロックとはいえ、非常にリラックスした余裕のセッションとなっているので、ぜひそのあたりを聴いてもらいたい。
なお、宮脇氏のブログでは、この「T.T.J.」の制作過程が紹介され、宮脇・加茂の両者が自身のソロ部を採譜している。
また、この曲が生まれるまでの過程(ラケットを買うところからスタート!)も紹介されているので、興味のある方は下記のブログを順にチェックされたし。
(ギター・マガジン・オンライン編集部)
【宮脇俊郎ブログ】
1:[本対談終了直後に卓球ラケットを発注する宮脇氏]
2:[注文したラケットが届き、喜ぶ宮脇&加茂氏]
3:[右手のピッキングと卓球の関連性について考察する宮脇氏]
4:[宮脇氏、ギター忍者を知る]
5:[宮脇&加茂氏、卓球練習試合(リハーサル)その1]
6:[宮脇&加茂氏、卓球練習試合(リハーサル)その2]
7:[宮脇&加茂氏、ついに卓球試合を行なう]
8:[加茂氏が、宮脇氏との一戦について語る]
9:[宮脇氏が卓球の試合を振り返り、考察する]
10:[宮脇氏、「T.T.J.」を作曲し、加茂氏にギターソロの依頼を出す]
11:[加茂氏のギター・ソロがギター忍者経由で宮脇氏に納品され、楽曲が完成する]
12:[宮脇氏、「T.T.J.」の動画の絵コンテを考え、ムービー制作に取りかかる]
13:[宮脇氏、「T.T.J.」の譜面(スタジオレコーディング用)を完成させる]
14:[加茂氏から、「T.T.J.」の彼のギター・ソロ部分のタブ譜が採譜され、届けられる]
15:[宮脇氏、「T.T.J.」の自身のソロを採譜・分析する(譜面有り)]
16:[「T.T.J.」に関する当事者以外の寄稿]
17:[加茂氏、「T.T.J.」の彼のソロ譜面にピッキング運指指定を加えて再提出]
18:[ガイド「T.T.J.」を徹底的に楽しむ]
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1965年兵庫県生まれ。23歳頃からプロ・ギタリストとしてセッション活動を開始。『究極のギター練習帳』『究極のプレイ・フォーム』など、教則本/映像を多数手がける超売れっ子講師でもある。東京・練馬区にて自身のギタースクールを開講中。
【宮脇俊郎 公式サイト】
●宮脇俊郎の出版物
【最新刊】

K4判/144ページ/CD付き、ミニ・ポスター付き
1,890円(本体1,800円+税)
2008年8月9日発売
【既刊・書籍】
『ギター基礎トレ365日!』
『ギター・マガジン講義録 自己採点でわかる! スケール&コード学習帳』
『宮脇俊郎のわくわく★ギター教室』
『ドンドン上達! 究極のギター練習帳 進化篇』
『最強のギター・アレンジ・ネタ帳[アップグレード版]』
『宮脇俊郎のらくらく理論ゼミナール』
『エフェクターで輝くギター・フレーズ47』
『おしゃれにブルース・ギター!』
『1日10分!ギター・ドリル ペンタトニック活用術』
『良いカッティング 悪いカッティング』
『スイスイ上達! 究極のギター練習帳 実践篇』
『ギター・マガジン 講義録 実力強化篇』
『みるみる上達! 究極のギター練習帳』
『すぐに身につく 究極のグルーヴ・ギター』
『グングンうまくなる究極のプレイ・フォーム』
【既刊・DVD】
【加茂フミヨシ・プロフィール】

超絶技巧を変幻自在に使いこなすギタリスト。スタジオワーク&セッション活動を経て、2005年に1stアルバム『GOOD WAVE』でソロ・デビュー。2006年にFender USAの全面バックアップを受け、2ndアルバム『ノスタルジア』を発表。HMV ジャズ/フュージョン・チャート3位にランクインする。また、COMRADE Recordsのレーベル・マスターやラジオ・パーソナリティーなど、ギタリストの枠にとらわれない多彩な活動を行なっている。
【加茂フミヨシ・DVD/著書】
書籍 『ひたすら弾くだけ! ギター・トレーニング』
書籍 『ひたすら弾くだけ! アコギ・トレーニング』
書籍 『速弾きがうまくなる理由 ヘタな理由』
DVD 『DVD版:ひたすら弾くだけ! ギター・トレーニング』
DVD 『DVD版:速弾きがうまくなる理由 ヘタな理由』
【加茂フミヨシ・オンライン動画】
『DVD版:速弾きがうまくなる理由 ヘタな理由』よりデモ演奏「幻想即興曲」と教則シーンのサンプル
- [2008年09月26日 16:47]















