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「レッツ・ダンス」でのアルバート・キングのようなブルースギター

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【第38回】スティーヴィー・レイ・ヴォーンの“ナンバー・ワン”と『テキサス・フラッド』(2)

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『テキサス・フラッド~ブルースの洪水』(amazonリンク)
スティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブル

ソニー・ミュージックエンタテインメント
MHCP-636/1,785円
2005年4月6日発売(オリジナル1983年)



ところで、なぜ1982年に、デビュー前のスティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブルのライブ音源がFENの『キング・ビスケット・フラワー・アワー』でオン・エアされたのか、と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれない。

ぼくも不思議だった。

だが、考えてみれば、82年の7月に彼らはスイスのモントルーで行なわれた“モントルー・ジャズ・フェスティバル”に出演している。

残念ながら、観客の大半からブーイングを浴びせかけれるという苦いインターナショナル・デビューではあったのだが(その模様は『ライヴ・アット・モントルー 1982&1985』のCDとDVDに収録されている)、そこでSRVはジャクソン・ブラウンとデヴィッド・ボウイに大いに認められることとなる。

また、そのときの音源を聴いたCBSレコーズ(現ソニー・ミュージック)の伝説的なプロデューサー、ジョン・ハモンドがのちに彼らとの契約を決めることにもなる。


モントルーの少し前には、ライブの映像を観たローリング・ストーンズの面々が彼らを気に入り、ニューヨークに呼んで、ローリング・ストーンズ・レコーズのオーディションを受けさせたりもしている(残念ながら契約にまではいたらなかった)。

このように、1982年の段階で彼らはすでに、メジャー・デビューまで“あと一歩”のところまで来ていたのだ。『キング・ビスケット・フラワー・アワー』でのライブ音源のオン・エアも、それを物語っていたのではないかという気がする。

そして、年が明けて1983年。

春に、デヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」というシングルが世界的に大ヒットした。日本でも、ラジオや『ベストヒットUSA』を初めとするTVの洋楽番組でかかりまくった。

驚いたのはその曲のギター・ソロだ。ポップな曲調の中に、突如として切り込んでくるブルース・ギター。それはまるで、アルバート・キングのようだった。

誰なんだ、あのギターを弾いているのは?と、ぼくは気になってしようがなかった。


それがわかったのは、あるギター雑誌を読んでいたときのことだ(残念ながら『ギター・マガジン』ではなかったが……)。

そこには、テンガロン・ハットにブーツ、塗装のはげたストラトを構えた見知らぬギタリストの写真が載っていた。そして本文には、“デヴィッド・ボウイのアルバム『レッツ・ダンス』に参加し、ブルース・ギターを弾いているのがこの無名のギタリスト。もうすぐソロ・デビューすることも決まっている”というような内容が書かれていた。

名前は……スティーヴィー・レイ・ヴォーン。

ピンと来た。

ジミそっくりにギターが弾ける男ならば、アルバート・キングそっくりにも弾けるだろう……“スティーヴィーなんとか”はこの男だ!

シングルのみならず、アルバム『レッツ・ダンス』も手に入れたぼくは(ただし、友人に頼んでカセットに録音してもらったような気がするが)、それを聴きながら彼のデビューを待ち構えた。


[続く]

※デヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」は、彼のアルバム『レッツ・ダンス』にはもちろんのこと、SRVのセッション音源を集めたオムニバス・アルバム『SRV仕事集』にも収録されています。


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デヴィッド・ボウイ

EMIミュージック・ジャパン
TOCP-70154/2,600円
2007年3月7日発売(オリジナル1983年)


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『SRV仕事集』(amazonリンク)
スティーヴィー・レイ・ヴォーン

ソニー・ミュージックエンタテインメント
EICP-919/2,520円
2008年1月23日発売


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【著者プロフィール】

細川 真平(ほそかわ しんぺい)

音楽ライター。ギター誌、音楽誌、ムック等の記事を多数執筆。
ジェフ・ベック、スティーヴィー・レイヴォーン等、CDライナーノーツも多数手がける。『ギター・マガジン』では「ロック・レジェンド紳士録」を連載中。