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ライブレポート/エイジア

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オリジナル・ラインナップのエイジアが、1st『詠時感~時へのロマン』完全再現!

--エイジア--
2008年5月13日・渋谷C.C.レモンホール


昨年、ファンの長年の夢だった初来日公演を果たしたオリジナル・ラインナップによるエイジア。

今回のツアーは、その4人が完成させた25年ぶりのアルバム『フェニックス』を引っさげてのものだ。加えてこの東京最終日に限って1st『詠時感~時へのロマン』を完全再現するとあって、会場はほぼ満員状態である。


荘厳なオーケストラSEに続いて、1曲目「デイライト」がスタート。エイジア流“3分間ポップ・プログレ”をよく表わしたチューンだ。

スティーヴ・ハウはギブソンのセミ・ホロー形状のオリジナル・モデルを手に高速パッセージを次々とキメていく。



ジョン・ウェットンのボーカルもよく出ており、メンバーの調子は上々のようだ。



続いては新作のオープニング・ナンバー「ネバー・アゲイン」。往年のキレが戻ったキャッチーなボーカル・ライン、うしろで裏メロ弾きまくりのハウ! あぁ、これぞクラシック・エイジア。


その後は各メンバーの出身バンドの曲が続く70'sプログレ・ファン泣かせの展開。

「クリムゾン・キングの宮殿」(キング・クリムゾン/ジョン・ウェットン)、「ラジオスターの悲劇」(バグルス/ジェフリー・ダウンズ)、「ラウンドアバウト」(イエス/スティーヴ・ハウ)、「庶民のファンファーレ」(EL&P/カール・パーマー)といった順で、メンバーひとりひとりにスポットが当たっていく。



今さらながらこうやってバンド名を列挙してみると、改めてエイジアのスーパー・バンドっぷりを見せつけられる思いがする。ハーモニクスで構成されたイエスの定番「ラウンドアバウト」を、エイジアのステージ上で観ることができたというのが何より感慨深いではないか。

ちなみにこの曲では、スタンドに固定されたLINE6のVariax(モデリング・ギター)とFlextone(モデリング・アンプ)を使ってプレイされていたことにも注目。意外にも機材は現代的なのだ。


ハウによるインスト「ムード・フォー・ア・デイ」をはさみ、再び1st以外の曲が続くが、中でも興味深かったのはアコースティック・セットでプレイされた「ザ・スマイル・ハズ・レフト・ユア・アイズ」。

ハウのラップ・スティールでの、ジョンに寄り添うような情感豊かなプレイは絶品だった。「ザ・ヒート・ゴーズ・オン」のあと、カール・パーマーのドラム・ソロで第1部は終了。



休憩も挟まずに開始された第2部はお待ちかね『詠時感~時へのロマン』の完全再現という、ファンにはたまらない贈り物だ。

「ヒート・オブ・ザ・モーメント」の乾いたギター・リフが響きわたった瞬間、会場中が異様な高揚感に包まれる。

ドラマティックな間奏から心躍るメジャー・スケールのギター・ソロへの流れに、興奮を抑えろというのは無理な話。サビで大合唱する頃には、オーディエンスの顔は少年少女に完全に戻っていた。


意気揚々としたジェフリーのファンファーレ・サウンドで始まる「時へのロマン」、「孤独のサヴァイヴァー」でのハウのソロは、指板すべてを自在に使うポジション移動がすごかった。

キメから入る「ワン・ステップ・クローザー」ではコーラスをかませた叙情的なソロが印象的。リズミカルな「タイム・アゲイン」でのジャズっぽいアプローチをポップに昇華させている点も、昔は感じなかったことで、さすがと言うしかない。


ハウはこのあたりから体でノッてきた様子もありありで、会場からかけ声があがった「この夢の果てまで」はスライドを効果的に使い、「ウィズアウト・ユー」でVariaxのアコギ・サウンドでキーボードとのユニゾン・ソロを決める。

「流れのままに」での高音と低音を行き来する巧みなフレージングも見事。そこからのジェフリーのピアノ~シンセ・ソロへの流れが実にカッコイイ!



そして、アルバム最後の曲だった「ときめきの面影」の美しいこと。後半に進むにしたがって張りを増していくウェットンの声、その裏にフロント・ピックアップを使ったハウの豊穣なトーンのメロが絡む。懐かしさと感動で涙腺がユルユルになっている人を数多く目撃できたほどだ。


アンコールは1曲。2ndアルバム『アルファ』に収められた名曲「永遠の輝き」だった。

ジェフリーとのユニゾン・ソロで彼のもとに歩み寄るハウ。にこやかに見つめるジョンとパーマー。さまざまな確執を乗り越えて、スーパー・バンドをリスタートさせた彼らの現進行形の姿がそこにあった。

しかし、感傷的になっている間もなく、ドラマティックに主旋律に戻り、テンポアップして豪快にエンディング。

名作のアレンジを変えることも厭わない、その姿勢こそが彼らの魅力であると再確認し、今後の活動で新たなるエイジアの歴史を刻んでくれることを確信した。


文:松本圭介/藤井徹(ギター・マガジン編集部)


[エイジア] 公式サイト(英語)

[スティーヴ・ハウ] 公式サイト(英語)

[エイジア - ユニバーサル ミュージック]