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ギタリスト、ハード・ロッカーとしてのウェストの才能を最高の形で味わえるアルバム
ソニー・ミュージックエンタテインメントより、マウンテンのアルバム8タイトルが、紙ジャケット仕様でリリースされた。
『レズリー・ウェスト/マウンテン』(69年作)
『勝利への登攀』(70年作)
『ナンタケット・スレイライド』(71年作)
『悪の華』(71年作)
『マウンテン・ライヴ 暗黒への挑戦』(72年作)
『栄光のマウンテン』(73年作)
『異邦の薫り(ライヴ・イン・ジャパン)』(74年作)
『雪崩』(74年作)
『レズリー・ウェスト/マウンテン』は、レズリー・ウェストのソロ作(もともと“マウンテン”というのは、ウェストの巨体に基づく彼のニックネームであり、このソロ・アルバムのタイトルだった)。これは国内初CD化だ。
『異邦の薫り(ライヴ・イン・ジャパン)』は、1973年8月の大阪厚生年金会館でのライヴを収録したもの。当時のエンジニアである鈴木智雄氏が、今回新たにマスタリングを施している。
すべて国内初回盤の帯が復刻されており、それを見ると『ナンタケット・スレイライド』は『マウンテン3』という日本タイトルだったのか……というような新たな発見もある。
などなど、話題は尽きないのだが、この作品群の中で圧倒的に重要なのが、『勝利への登攀』と『ナンタケット・スレイライド』であることは間違いない。
これらは彼らの代表的傑作であると同時に、60年代に端を発したブルース・ロック/サイケデリック・ロックが、ハード・ロックへと歩を進める中で、70年代という時代の空気でもあったプログレッシヴ・ロックの要素を取り入れ、独自の展開を見せた最高の例だ。
マウンテンの歴史をたどってみると、このバンドは常に、ベーシスト/プロデューサーであるフェリックス・パパラルディと、ギタリストであるレズリー・ウェストという2つの大きな才能の綱引きの上に成り立っていたことが分かる。
しかもその才能とは、まったく異質のものだった。
ハードで、ストレートで、ワイルドで、ブルージーなウェスト。思索的で、理知的で、叙情的で、戦略的で、進歩的なパパラルディ。非常に単純化して言えば、そういうことになる(もちろん、パパラルディの熱いベース・プレイのことを忘れているわけではない)。
この視点から言うなら、『ナンタケット・スレイライド』という作品は、プロデュサーとしてのフェリックス・パパラルディの圧倒的な才能が、最高の形で現出したものだった。
一方で、その前作である『勝利への登攀』では、ギタリストとして、そしてハード・ロッカーとしてのウェストの才能を、最高の形で味わうことができる。
先ほど「才能の綱引き」と表現はしたが、しかし、ウェストの才能をここまで開花させ、かつそれを意図的にフィーチャーしたという意味では、『勝利への登攀』も結局はパパラルディのプロデュース能力の勝利だったと言えるのかもしれないのだが。
[続く]
マウンテン(紙ジャケット仕様・全8タイトル)
ソニー・ミュージックエンタテインメント
『レズリー・ウェスト/マウンテン』(紙ジャケット仕様)(amazonリンク)
SICP-1778/1,890円
2008年6月25日発売(オリジナル1969年作)
『勝利への登攀』(紙ジャケット仕様)(amazonリンク)
SICP-1779/1,890円
2008年6月25日発売(オリジナル1970年作)
『ナンタケット・スレイライド』(紙ジャケット仕様)(amazonリンク)
SICP-1780/1,890円
2008年6月25日発売(オリジナル1971年作)
『悪の華』(紙ジャケット仕様)(amazonリンク)
SICP-1781/1,890円
2008年6月25日発売(オリジナル1971年作)
『マウンテン・ライヴ 暗黒への挑戦』(紙ジャケット仕様)(amazonリンク)
SICP-1782/1,890円
2008年6月25日発売(オリジナル1972年作)
『栄光のマウンテン』(紙ジャケット仕様)(amazonリンク)
SICP-1783/1,890円
2008年6月25日発売(オリジナル1973年作)
『異邦の薫り(ライヴ・イン・ジャパン)』(紙ジャケット仕様)(amazonリンク)
SICP-1784~SICP-1785/2,835円
2008年6月25日発売(オリジナル1974年作)
『雪崩』(紙ジャケット仕様)(amazonリンク)
SICP-1786/1,890円
2008年6月25日発売(オリジナル1974年作)
※マウンテン全8タイトルのライナーノーツは、本コラムの筆者(細川真平)が執筆しています。
[ソニー・ミュージックエンタテインメント - マウンテン 紹介ページ]
[マウンテン/レズリー・ウェスト] 公式サイト(英語)
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【著者プロフィール】
細川 真平(ほそかわ しんぺい)
音楽ライター。ギター誌、音楽誌、ムック等の記事を多数執筆。
ジェフ・ベック、スティーヴィー・レイヴォーン等、CDライナーノーツも多数手がける。『ギター・マガジン』誌では「ロック・レジェンド紳士録」を連載中。
- [2008年07月03日 19:00]









