コラム/セミナー > GENTLY WEEPS - ギターとアルバムを巡る物語
ブルース・ギターの真髄を感じさせる演奏
先週書いた『ロック&ギター』に紹介されていたギター名盤の数々を、ぼくは徐々に買い揃えていった。
その中でも、山岸潤史が薦めていたB.B.キングの『ライヴ・アット・ザ・リーガル』はかなり早い時期に手にした。これはもう、なんとしても聴かなくては、という気がしたのだ。
それは正解だったし、これを聴いたおかげでぼくは、ブルースの魅力にドップリとはまっていくことになった。
このアルバムは1965年にリリースされたもので、64年11月にシカゴのリーガル劇場で行なわれたライブを捉えたものだ。
ブルース・ギターの真髄を感じさせる演奏、圧倒的な迫力の中に繊細さが入り交じるヴォーカル。これは間違いなく、B.B.キングの真骨頂を味わえる作品だ。
そして、観客の熱狂ぶりもこのアルバムの聴きどころかもしれない。B.B.にレスポンスを返しながら、笑い、叫び、騒ぎ、どんどん熱くなっていく彼ら。
それは、ブルースの本場・シカゴらしいノリだと言うこともできるだろうし、ここに集まった黒人たちに、B.B.がどれほど愛されていたかの証拠だと言うこともできると思う(60年代後半からはB.B.のライブに白人の観客も増えていくのだが、この時点では黒人ばかりのはずだ)。
そしてまた、ブルースとは伝統芸能ではなく、考古学者の研究対象でもなく、リアル・タイムのエンターテインメントなのだということもよく分かるのだ。
このアルバムではB.B.の多彩なトーンが楽しめるが、冒頭の「エヴリデイ・アイ・ハヴ・ザ・ブルース」で聴けるこもり気味のサウンドが、ぼくには最も印象的だった。
それは、ジャズ・ギタリストがフルアコで弾いているかのようですらある。その音で、搾り出すようなチョーキングを決められると、もうたまらなかった。
正直なところ、ぼくはB.B.の全アルバムを持っているわけではないし、全時代に精通しているわけでもないので絶対的なことは言えないのだが、このトーンが聴けるのはこのときだけではないかと思う。この日のアンプの状態やセッティングなどのせいもあるのだろう。
こもりながらも、アンプでナチュラルに歪んだマイルドさとふくよかさのあるトーン。クラプトンがクリーム時代に得意としたウーマン・トーンの発想の原点は、実はここにあるのではないかという気さえするのだが、それは考えすぎだろうか?
さて、B.B.キングが使っているのはギブソン ES-355だ。だが、この場合には“ルシール”と呼んだほうがしっくり来るだろう。
[続く]
[ユニバーサル ミュージック - B.B.キング紹介ページ]
[B.B.キング] 公式サイト(英語)
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【著者プロフィール】
細川 真平(ほそかわ しんぺい)
音楽ライター。ギター誌、音楽誌、ムック等の記事を多数執筆。
ジェフ・ベック、スティーヴィー・レイヴォーン等、CDライナーノーツも多数手がける。『ギター・マガジン』誌では「ロック・レジェンド紳士録」を連載中。
【関連情報】
→『ギター・マガジン』2008年3月号はB.B.キング特集
- [2008年06月20日 12:50]









