デジマート ギター・マガジン・オンライン

ギター・マガジンによるギター情報専門サイト。ギター、アンプ、エフェクターの新製品、ライブレポート、セミナー、コラムなど、ギターとギタリストの話題を毎日お届けします!

テレキャスターにしては太く、レス・ポールにしてはトレブリー

gentry_weeps_title.jpg

【第23回】ジミー・ペイジのレス・ポールと『レッド・ツェッペリンII』(4)

20080418_zep1.jpg

『レッド・ツェッペリン』
レッド・ツェッペリン(amazonリンク)

2005年5月25日(オリジナル1969年1月)発売
ワーナー ミュージック/WPCR-75001
1,800円


ツェッペリンの1枚目『レッド・ツェッペリン』でのジミー・ペイジのサウンドは、非常にレス・ポール的だ。

実際、昔は多くの人があれはレス・ポールの音だと思い込んでいたし、ぼくもそうだった。

ペイジ自身がインタビューでテレキャスターを使ったと語ったことで、それが常識となっているが、それがなければぼくは今でもレス・ポールだと信じていたかもしれない。


あのサウンドは、前回も取り上げたとおり、スプロ・アンプによるところが大きい。小型コンボ・アンプをフル・アップさせることで、テレキャスターでまるでレス・ポールのようなサウンドを作り上げていたのだ。

と、書いてしまうと簡単なのだが、1枚目を改めてよく聴くと、テレキャスターとは思えないにしろ、レス・ポールとも思えない独特の音をしている。

これをレス・ポールだと思い込んだのは、以降のペイジのビジュアル・イメージにミスリードされたのだろう。


今度は『レッド・ツェッペリンII』を聴いてみると……おや、こちらも、テレキャスターとは思わないが、かと言ってレス・ポールとも言い切れないような音をしている。

次に、1枚目の「コミュニケーション・ブレイクダウン」と2枚目の「胸いっぱいの愛を」のソロを聴き比べてみる。

すると、両者のサウンドがかなり近いことに驚く。

その音をひと言で説明するならば、“テレキャスターにしては太く、レス・ポールにしてはトレブリー”ということになるだろう。

そして、それこそがジミー・ペイジ・サウンドだったのだ。


そういう意味では、ジミー・ペイジをレス・ポール愛用者の代表として、また『レッド・ツェッペリンII』をペイジのレス・ポール使用アルバムの代表として紹介するのは、幾分無理があるのかもしれない。

実はレス・ポールを最もレス・ポールっぽくない音で使っているギタリストであり、アルバムであるかもしれないからだ。

それでも、低い位置でレス・ポールを構えたペイジの姿を見ると、やっぱり“ジミー・ペイジ=レス・ポール”だ、と思ってしまうのである。

そして、頭の中で勝手に「胸いっぱいの愛を」のイントロ・リフが、鳴り響き始めるのである。


『レッド・ツェッペリンII』
レッド・ツェッペリン(amazonリンク)

2005年5月25日(オリジナル1969年10月)発売
ワーナー ミュージック/WPCR-75002
1,800円


[ワーナー ミュージック - レッド・ツェッペリン紹介ページ]


<前回 | GENTLY WEEPS~ギターとアルバムを巡る物語 | 次回>

【著者プロフィール】

細川 真平(ほそかわ しんぺい)

音楽ライター。ギター誌、音楽誌、ムック等の記事を多数執筆。
ジェフ・ベック、スティーヴィー・レイヴォーン等、CDライナーノーツも多数手がける。『ギター・マガジン』誌では「ロック・レジェンド紳士録」を連載中。