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【インタビュー】マックス・カヴァレラ(カヴァレラ・コンスピラシー)

MAX CAVALERA(CAVALERA CONSPIRACY)

セパルトゥラ、ソウルフライでの強力な野獣サウンドで、ヘヴィロック界を牽引し続けるマックス・カヴァレラ。

1997年にセパルトゥラを脱退して以降、実弟でありドラマーであるイゴールとは完全な決別状態にあったが、2006年、その関係が1本の電話から急転する。そしてついにふたりのタッグは新バンド、カヴァレラ・コンスピラシーとして、シーンの最前線に舞い戻った。

『ギター・マガジン2008年5月号』(4月12日発売)では、マックスの最新インタビューを掲載しているが、誌面では語られていない、最新アルバム『インフリクテッド』制作秘話をここでお届けする!

家でのレコーディングは、その瞬間の気持ちがダイレクトに表われる。俺はそういう音こそを大事にしていきたいんだ。


--本作のタイトル『インフリクテッド』にはどのようなメッセージが込められているんですか?

最初は“After the slaughter”(虐殺のあと)ってタイトルのアイディアがあったんだけど、アルバムのミックスが終わった直後、アメリカの学校で銃乱射事件が起こってしまった。そのニュースを見た時に、このタイトルでは事件のことを歌ったと誤解を招くことになるんじゃないかと思い、変更することにしたんだ。

俺としては『ビニース・ザ・リメインズ』の続篇的な意味合いで考えたタイトルだっただけで、事件のこととはまったく無関係だし、なにより、最近のこういう事件と俺たちのような音楽とを結びつけようとするメディアの風潮にマジでムカついているから、別のアイディアにすることにしたんだよ。


--アメリカは今でもそういう風潮が強いようですね。

そう。それですぐに思いついたのが、1992年に俺とイゴールがインドネシアに行ってヴードゥー教の儀式に参加した時のこと。あの時経験したことは結局自分たちの音楽として表現する機会がなかったんだけど、それを生かすチャンスは今だって思ってさ。

俺らにとってバンドの演奏とは儀式めいたところがあるし、音楽を聴くってこと自体が儀式に近いものだって思っているから。それが“inflikted”という言葉とすごくリンクするんじゃないかと思ってね。イゴールに相談したら彼もすごく喜んでくれたんで、このタイトルに決めたんだ。アイツも俺もセパルトゥラでの『ルーツ』はずっと好きだったから、またあの時のような気持ちになれる、いい言葉を見つけたなって思ったよ。


--楽曲のアイディアは常にためているといいうことですが、どのバンドで使うリフなのかは、どういった具合で判断するんでしょうか?

作ったもののどう使えばいいやらってアイディアも、しばらく寝かせておくと予期せぬタイミングで「ここではアレがうまくハマる!」って思い出して使うこともあるんだぜ。この前も昔作ったリフをショーン・レノンとの曲に使ったんだ。もちろん目的を持ったソングライティングもいいんだけど、俺はまったくあてもなくアイディアをためておくのが好きだから。


--家では常にギターを握っているという感じなんですね。

俺の家にはそこら中にギターがあって……そうだな、10本は転がっているかな。で、それらはどれもチューニングが違っていて、俺自身、どれがどういうチューニングになっているのか思い出せないくらいなんだ(笑)。

例えばブラジル国旗のペイントがされているESPのギターを手にしたとする。それがDだろうがEだろうがBだろうが、なんであろうと気に入ったリフが出てくればそれでいいからね。そのネタをあとからスタジオに持っていって、マーク(リッゾ/g)にどんなチューニングで弾いているかを探ってもらうんだ(苦笑)。

マークもそのやり方を気に入ってくれていて、俺がまったくチューニングを気にしないおかげで、普通ではありえないようなコンビネーションになっていることもあってさ。「よくもこんなクレイジーなリフを思いついたな!」って言ってくれるんだ(笑)。

俺にとっては音さえクールならそれでいい。チューニングやらテクニックなんてどうでもいいんだよ。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギターのヤツも(トム・モレロのこと)、ギターじゃないようなクレイジーな音を出すだろ? ああいうサウンドは大好きだよ。

--マークはいい参謀役でもあると。

俺の場合はソングライティングがユニークなのかもしれないけど、とはいえ、それにつき合ってくれるマークがいるから助かっているよ。普通のギタリストだったら「そんなのありえない」って思うだろうからね。


--レコーディングでは、どのようなエフェクターを使いましたか?

ペダルはデジテックとBOSSがお気に入りで、フランジャーなんかを使ったはずだ。今回のアルバムのレコーディングでは面白いことがあってさ。自宅にある15ワットくらいの小さなマーシャルでフィードバックをレコーディングして、それをミックスの時にかぶせてみたらすごくイイ感じに乗ったんだ。

今まで家では簡単なデモくらいしか録音していなかったけど、それ以来、自宅でのレコーディングの可能性に目覚めてしまった。これからは家でドラム・パートなんかも録ってみて、スタジオでミックスするっていう手法をどんどん取り入れたいと思っている。

スタジオでばかり作業していると、どうしてもある程度ライブやほかのアルバムと同じ機材、環境になってしまうけど、外や家でのレコーディングではもっとその瞬間の音や気持ちがダイレクトに表われるから。スタジオとは流れているヴァイブもまったく違うから、俺にとってはそういう音こそ大事にしたいものだと感じている。次のソウルフライやこのバンドでは、そういう方法にもっと挑戦すると思うよ。


--レコーディングでは、リズム・トラックはすべてあなたのプレイですか?

基本的に、俺とマークで半分ずつ弾いているよ。だけど何曲かでは俺とジョー(デュプランティエ/b)が弾いている曲もある。ソウルフライではソロっぽいリフが出てくることもよくあるから、そういう時は全部マークがやってくれてるな。俺はまったくソロが弾けないからさ、刻み専門なんだ(苦笑)。


--ギターにはいろいろなチューニングはあるということですが、何か秘密のお気に入りチューニングがあれば教えて下さい。

俺はどうもDチューニングでプレイすることが多いみたいだな。『ケイオスA.D.』もDだったし、ブラック・サバスの多くの曲もDだ。もしかしたら、それが理由でよくそういうリフを思いつくのかもしれないな。

あとはもっと低い、本当に音階聴き取り不能なくらいのチューニングも大好きで、このアルバムでは使っていないんだけど、今度のソウルフライでは何曲かで使っている。信じられないくらい低い音で、俺とマークの間では“Zチューニング”って呼んでるんだ(笑)。すげぇドゥーミーでヤバいよ。

あとBも使うけど、アレは『ルーツ』っぽい音になる。まぁひとつのチューニングに固執しないように、いろいろ試してやってるよ!


インタビュー:ギター・マガジン編集部
Interpretation:Stanley George Bodman
Photo:Kevin Estrada


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カヴァレラ・コンスピラシー
『インフリクテッド』(amazonリンク)
ロードランナー/RRCY-21301
2,548円
2008年3月25日発売