コラム/セミナー > GENTLY WEEPS - ギターとアルバムを巡る物語
シングル「哀愁のヨーロッパ」はサンタナがレス・ポールを弾いている写真だった

【第17回】サンタナ『アミーゴ』とヤマハSG(1)
ぼくはサンタナの「哀愁のヨーロッパ」のドーナツ盤を持っている。小学6年生か中学1年生のときに買ったものだ。
すでにロックを聴き始めていたぼくはラジオでこの曲を知り、ノックアウトされた。レコードを欲しいと思ったがLPは高い。そこでドーナツ盤を購入したのだった。
「哀愁のヨーロッパ」が、まだ最新ヒット曲だった時期だ。
いま考えてみれば、ロックのギター・インスト曲がシングル・カットされていたという事実に驚く。だが、ベンチャーズの諸作は言うに及ばず(70年代後半においても、彼らのシングル盤はしっかりとレコード店店頭に並んでいた)、ジェフ・ベックの「哀しみの恋人達」もシングル・カットされていた。
もちろん数は少なかったと思うが、ロック・ギター・インスト曲のシングル盤が存在を許された時代だった。
その「哀愁のヨーロッパ」シングル盤を、ぼくは擦り切れるほど聴いた。そう、“擦り切れるほど”という表現がけっして比喩ではなかった時代でもある。
美しいメロディと、艶やかなギター・サウンド。そして後半の盛り上がり。曲の始まりから終わりまで、すべてが素晴らしいと思った。
“官能”という言葉はまだ知らなかったが、サンタナのギターからは間違いなく“官能”を感じ取っていたとも思う。ギターの色っぽさを、ぼくはこの曲で初めて教えられた。
この曲は、1976年発表のアルバム『アミーゴ』に収録されていた。シングルを購入し、それに満足してしまったがために、アルバムを通して聴いたのはずいぶんあとのことだったように思う。
このシングル盤のジャケットには、サンタナがレス・ポールを弾いている写真が使われていた。だから当時は、レス・ポールでこの曲を弾いているのだろうと思い込んでいた(レス・ポールという名前を知っていたかどうかは怪しいが)。
サンタナがこの曲で使ったのはヤマハSGという日本製のギターだということを知ったのは、しばらく経ってからのことだった。
[続く]
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【著者プロフィール】
細川 真平(ほそかわ しんぺい)
音楽ライター。ギター誌、音楽誌、ムック等の記事を多数執筆。
ジェフ・ベック、スティーヴィー・レイヴォーン等、CDライナーノーツも多数手がける。『ギター・マガジン』誌では「ロック・レジェンド紳士録」を連載中。
- [2008年03月07日 17:23]








