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バーガンディ・ミストのストラトキャスターには謎が多い

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【第16回】『PLAIN PINK』とCharのバーガンディ・ミスト(4)

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『BRAIN MASSAGE』PINK CLOUD(amazonリンク)

BMGジャパン
BVBH-41025
5,040円/2005年10月26日発売
1990年10月、代々木競技場第一体育館で行なわれたライブ。

[BMGジャパン – PINK CLOUD紹介ページ]



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『INDEX』PINK CLOUD(amazonリンク)

江戸屋
EDCR-603
1990年4月21日発売


Charは機材にこだわらないことで有名だ。

いや、こだわらないのは仕様であるとか、何年製だとかの枝葉末節であって、逆を言えば音のみにこだわるという、プロ中のプロらしいスタンスの表れと言えるかもしれない(ただし、ギターの色やルックスにはこだわっているようだが……)。

ということもあって、バーガンディ・ミスト・ストラトの詳細についても、謎(Char自身も把握していない部分)が多い。

年式に関しては、シリアル・ナンバーが「48140」ということからすると、59年後期か60年製。ローズ指板であることから、60年製と考えるのが一般的だが(ローズ指板は1960年以降の特徴)、そう簡単にはいかないのだ。


このストラトのピックガードは、8点止めで1プライのもの。60年製だと11点止めの3プライのはずだ。ピックガード自体はCharが入手してから交換されているようだが、ネジ穴を開け直したとは思えないので、もともと8点止めだったと思われる。

なぜローズ指板なのに8点止め? と思うのだが、調べてみると、実際にはローズ指板は1959年の終わりごろに採用されたようだ。ということは、このストラトは59年のかなり末期に作られたものだということではないだろうか。だから、仕様的に50年代と60年代の特徴が交じり合った、過渡期的な1本となっているのだろう。

Charの入手後、ペグもブランド刻印がないもの(GOTOH製の可能性が高い)に交換された。トレモロ・ユニットも、このギターが現役で使われていたころには新しいものに交換されていた(2007年の写真を見るとオリジナルに戻されているようだ)。トレモロ・スプリング・ハンガーの左側のネジも、大きいものに交換されている。

また、1984年終わりごろにリア・ピックアップが断線し、フロントについていたものをリアに移し、フロントにはビンテージ・ストラト・シリーズのピックアップがつけられた。ただし、ピックアップ・カバーはその色からして3つともオリジナルのままのようだ。


このバーガンディ・ミスト・メタリックという色は、もちろんカスタム・カラー(オーダー・カラー)で、1960~65年の間にしか用意されなかった。とすれば59年説に疑問が生じると思われるかもしれないが、リフィニッシュされている可能性もあるのでそこはなんとも言いがたい。

ボディ材に関しては、ある雑誌に紹介されたときに、バスウッドだと書かれていたことがあった。本当かどうかは分からないが、バスウッドは少量ながら当時のストラトに使われていたので、可能性はある。ちなみにロリー・ギャラガーのあの塗装が剥げたストラトもバスウッドだったと言われている。

アルダーやアッシュのストラトに関しては相当数を弾いてきたはずのCharが、バーガンディを「他のストラトでは絶対出ない音」と言うのは、ひょっとしたらボディがバスウッド材だったためかもしれない、とも思う。もちろん想像の域を出ないが……。


今ではほぼ引退状態のバーガンディ。「アーム・アップができないから」というのが理由のひとつだが、ぜひそれぐらいのセッティングはし直して、またその美しい姿とサウンドを、我々の前に現してもらいたいものだ。

最後に、DVDでは『BRAIN MASSAGE』、アルバムでは『INDEX』もお勧めしておきたい。これらでもバーガンディが大活躍している。このギターの素晴らしさを、そしてそれ以上にPINK CLOUDのすごさを、噛み締めていただきたいと思う。

(細川真平)


[Char] 公式サイト

[江戸屋株式会社] 公式サイト


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【著者プロフィール】

細川 真平(ほそかわ しんぺい)

音楽ライター。ギター誌、音楽誌、ムック等の記事を多数執筆。
ジェフ・ベック、スティーヴィー・レイヴォーン等、CDライナーノーツも多数手がける。『ギター・マガジン』誌では「ロック・レジェンド紳士録」を連載中。