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ダンカンがテレキャスターとギブソンを組み合わせた“テレギブ”

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【第11回】ジェフ・ベック「哀しみの恋人達」と、テレギブと呼ばれた改造ギター(2)

セイモア・ダンカンはのちにリプレイスメント・ピックアップ・メーカーを創業し、世界的な評判を得ることになるが、1974年ごろにはロンドンのフェンダー・サウンド・ハウスに勤めていた。

彼はジェフ・ベックの大ファンでもあった。

彼の勤め先の向かいにジェフが所属するレコード会社のスタジオがあり、ある日そこにジェフがいるという話を聞いた。

彼はスタジオへ行き、ジェフがスタジオで演奏している姿を見せてもらった。そのとき、彼のためにギターを作ることを思いついたという。


土台になったのは手持ちの1960年製テレキャスター。

まずローズ指板を剥がし、メイプル指板を貼った。つまり、貼りメイプル仕様にしたわけだ(ネック交換ではなく、指板を貼り直したとダンカン本人が述べている)。

そして、フレットはギブソン製の太いものに打ち換え、ピックアップはロニー・マックの壊れたフライングVについていたP.A.F.を巻き直して使用。また、ハムバッキング・ピックアップを載せるために、ブリッジ・プレートは半分に切った。


こうしてでき上がった改造ギターは、テレキャスターとギブソンを組み合わせたことから、“テレギブ”と呼ばれることになった。

スタジオでテレギブを受け取ったジェフは、このギターの不思議な見た目も、その音も、非常に気に入った。P.A.F.の持つファットでウォームなトーンに、テレキャスターらしいシャープさが混じりあった独特の魅力を、このギターは持っていた。

前述のとおり、ダンカンはジェフの大ファンだった。だから彼はこのギターを、ジェフのプレイ・スタイルに最大限マッチするようにと考案し、仕上げたのだという。

つまり、テレギブというのは単なるギター・ビルダーが作ったギターではなく、ジェフのプレイを知り尽くしたファンがジェフのために作り上げた、熱い気持ちの入ったギターだったと言っていいだろう。そしてそのギターは、ジェフの心を捉えた。


数日後、ダンカンのもとに、ジェフのマネージャーが3本のギターを持って現れた。どれもジェフが実際に使っていたものだ。テレギブのお礼に、好きなギターをプレゼントしたいとのことだった。

ダンカンは迷わず、ヤードバーズ時代のジェフのメイン・ギターだったエスクワイアを選んだ。

[続く]


[ソニー ミュージック - ジェフ・ベック紹介ページ]

[ビクター エンタテインメント - ザ・ヤードバーズ紹介ページ]

[ジェフ・ベック 公式サイト](英語)

[セイモアダンカン 公式サイト](英語)

[セイモアダンカン - セイモア・W・ダンカン・バイオグラフィー](英語)


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【著者プロフィール】

細川 真平(ほそかわ しんぺい)

音楽ライター。ギター誌、音楽誌、ムック等の記事を多数執筆。
ジェフ・ベック、スティーヴィー・レイヴォーン等、CDライナーノーツも多数手がける。『ギター・マガジン』誌では「ロック・レジェンド紳士録」を連載中。