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ジェフ・ベック「哀しみの恋人達」とテレキャスター

【第10回】ジェフ・ベック「哀しみの恋人達」と、テレギブと呼ばれた改造ギター(1)
永遠の名盤であり、ロック・ギタリストの教科書(byジミー・ペイジ)であり続けるのが、ジェフ・ベックの『ブロウ・バイ・ブロウ』だ。佳作揃いのこのアルバムだが、なんと言っても「哀しみの恋人達」こそは希代の名曲であり、名演と言っていいだろう。
作曲はスティーヴィー・ワンダー。以前、「迷信」をジェフにプレゼントしたものの、ジェフがベック・ボガート&アピスでこれを発表するより前にシングル・ヒットさせてしまい、それに対するお詫びにこの曲を贈ったと言われる。
そして、この曲は、ロイ・ブキャナンに捧げられている。
ブキャナンはブルースを主軸としながらも、カントリーなどの影響も感じさせる、独特で、超高度なテクニックを駆使してテレキャスターを自在に歌わせた天才ギタリストだ。
1969年のブライアン・ジョーンズの死後、ストーンズからバンドへの参加を誘われたこともある(ブキャナンはそれを断っている)。またエリック・クラプトンもブキャナンの大ファンで、当時、彼を観にローカルなライブハウスへと足を運んだこともあるらしい。
1971年に、彼を取り上げたアメリカのTVドキュメンタリー番組『世界で最高の無名なギタリスト』がオンエアされ、彼の知名度を一気に押し上げた。そしてこれがメジャー・デビューへとつながる。
ジェフは70年代頭にTV番組で初めてブキャナンを見て「衝撃を受けた」と語っているが、それはこのドキュメンタリー番組だったと思われる。
つまり、ジェフがブキャナンを発見(?)したのは、ミック・ジャガーやキース・リチャーズ、クラプトンなどに比べると、はるかに遅い。遅いのだが、そのとき彼はギタリストとして、ブキャナンに自分と近い匂いを強烈に感じ取ったのではないだろうか? そして、その匂いを突き詰めることによって、「哀しみの恋人達」は生まれたのだと思う。
ブキャナンが得意としたボリューム奏法から始まるこの曲を、ジェフは自分がプレイした中で最も美しい曲だと語っている。
アルバム・ジャケットの印象からか、レス・ポールで演奏されたと思われることが多いが、ここでは実はハムバッキング・ピックアップを搭載したテレキャスターが使われた。
セイモア・ダンカンが改造した、通称“テレギブ”と呼ばれるギターだ。
[続く]
[ジェフ・ベック 公式サイト](英語)
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【著者プロフィール】
細川 真平(ほそかわ しんぺい)
音楽ライター。ギター誌、音楽誌、ムック等の記事を多数執筆。
ジェフ・ベック、スティーヴィー・レイヴォーン等、CDライナーノーツも多数手がける。『ギター・マガジン』誌では「ロック・レジェンド紳士録」を連載中。
- [2008年01月18日 20:25]








