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ライブレポート/レッド・ツェッペリン London O2 Arena

ジミー・ペイジ大復活! 世界中が幻惑された夢の一夜

まさかこの日がやってくるとは思わなかった。しかし、それは現実のものとなった。レッド・ツェッペリンがたった一夜だけ再結成を果たし、ロンドンはO2アリーナに集ったのである。アトランティック・レコードの創立者アーメット・アーティガンの追悼チャリティとして行なわれたこのコンサートの大トリ、ジミー・ペイジ、ロバート・プラント、ジョン・ポール・ジョーンズにジェイソン・ボーナムを加えた4人は、往時と少しも変わらない堂々たるパフォーマンスを披露した。ギター・マガジン的視点でつづる白熱のレポートをお届けしたい。

Photo:Kevin Westenberg_Getty Images
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【SETLIST】
1. Good Times Bad Times
2. Ramble On
3. Black Dog
4. In My Time Of Dying
5. For Your Life
6. Trampled Under Foot
7. Nobody's Fault But Mine
8. No Quarter
9. Since I've Been Loving You
10. Dazed And Confused
11. Stairway To Heaven
12. The Song Remains The Same
13. Misty Mountain Hop
14. Kashmir
~Encore1~
15. Whole Lotta Love
~Encore2~
16. Rock And Roll




Special Live Report/Led Zeppelin
Reunion Live Report at London O2 Arena
December 10,2007
Text:Shinya Sato

私がヒースロー空港に着いたのはライブの当日、現地時間で12月10日14時30分。宿泊予定のホテルに直行しようとしたところ、前日にロンドン入りしていたワーナーさん招待の同行者から携帯電話に連絡が入る。「O2アリーナのある地帯は観光やショッピングで大渋滞が予想されるから日本人のライブ招待者は15時にホテルを出発する」ということだった。30分で入国審査を済ませ、ホテルに着くことは到底無理だったので、ヒースローから直接O2アリーナに行くことに。地下鉄ピカデリーラインでグリーンパーク駅まで行き、そこでジュビリーラインに乗り換え、コンサート会場のあるノースグリーンウィッチ駅まで行くのだが、帰宅時間前の空いていた地下鉄内には、グリーンパーク駅あたりから、ライブを観に行くと思われる革のコートを着た40歳代のロンドナーたちが続々と増えてきた。そしてヒースローから45分ぐらいでノースグリーンウィッチに到着。そこはレッド・ツェッペリンを見ようと世界中から集まった癖のありそうなロックファンでごった返していた。

O2アリーナの外にはワーナーミュージックからリリースされたCD/DVD『LED ZEPPELIN MOTHERSHIP』の宣伝用の小さい飛行船が飛び、入り口前の電光ボードにはATLANTICのロゴやBill Wyman、Paul Rogersの文字が現われ、その中に我らがLed Zeppelinの文字も浮かび上がっていた。

“いよいよライブに来たんだな”という実感が湧いてきた瞬間だった。

合流した日本人招待者は、高名な音楽評論家ふたり・テレビ関係者・雑誌関係者などで、そうそうたるメンバーと一緒に歴史の目撃者になることを実感した。17時30分開場となっていたにもかかわらず18時になっても開場されないのでとりあえず指定されたゲートに向かった。途中でU2のメンバーにすれ違ったり、有名俳優がエスコートされていたりと、セレブな雰囲気もあった。

すでに各ゲートはファンで一杯。奇声を発し盛り上がっている徹夜ファン、派手な格好でテレビ局の取材を受けている熱狂的なファンなど、まさに雰囲気は絶好調。アリーナのチケットは席が決まっておらず、いい位置で見るために数日前から並んでいる人々もいた。

事前の情報では、携帯電話も取りあげられてしまうほど、情報の流出に関しては非常に厳しいと言われており、入場する時に大混雑するだろうと思われていた。そして私も携帯電話を持っていた。

待つこと30分、18時30分を過ぎた頃、いよいよ入場が開始。待ちに待ったライブの入場の喜びで、各ゲートからは歓喜の雄叫びが聞こえてきた。そして我々も入場。さぞや厳しいと思いきや……危険なものを持っていないかボディチェックをされただけで「Let's enjoy!」と言われ何事もなく会場に入れてしまった。携帯電話はもちろん、デジカメもOK。チャリティ・イベントだからだろうか?

我々の席はステージからおよそ50mほど離れた正面の1階席。距離は少し遠かったが全体が見やすく、PAのまっすぐ後方なので音も良さそう、かなり期待が高まって来た。

入場からおよそ1時間、やっとイベントがスタート! セレモニーの挨拶が終わると、ビル・ワイマンを中心としたセッション・バンドが登場。アトランティックのイベントにふさわしくブルースナンバーが披露されていく。その後ポール・ロジャースが登場、会場はかなりヒートアップしてきた。しかし客席はまだ半分の入り、ロンドンの方々はメインしか見ないのだろうか?

セッション・バンドが終わった後、ジェイソン・ボーナムも在籍しているフォリナーが登場。大ヒット曲「I Want To Know What Love Is」(1985年2月2日付・2週連続全米No.1)を演奏。個人的には幼少の頃、ベストヒットUSAで聴いていた名曲なので感動したのだが招待客日本代表の面々からは、「営業っぽい」っと揶揄されていた。
 
フォリナーのライブが終わると、いよいよレッド・ツェッペリンの登場。それまでに演奏されていた楽器がすべて片づけられると、後ろに並んでいた高さ3メートルぐらいの黒い衝立パネルも取り去られた。すると、背後には新生レッド・ツェッペリンのメンバーの楽器が整然と並べられている。アリーナの観客はジミー・ペイジのアンプ群を見ただけで歓声を上げ始めた。

肉眼で確認できたアンプは4セット。各アンプはヘッドが2台ずつ積まれ、左からオレンジ、マーシャル(JCM-800?)、マーシャル(1959スーパートレモロ/キャビネットにはZOSOの文字)、オレンジ(テルミン用か?)と並べられていた。何しろ遠距離からの判断なので、正確ではないかもしれない。その点はご容赦いただきたい。

その後、機材がローディによって厳かにセッティングされていく。時々ローディが鳴らすギターの音でまたまた観客は大喜び! そしてセッティングがすべて完了したところでおよそ2万人の観客席も満員となった。

楽器だけが並べられた何もないステージ。70年代を再現しているのかな?と思いきや突然、後方の大きな黒幕が開き、巨大なLEDのスクリーン(U2などが使っているバルコ社製のもの)が現われた。そしてその画面に70年代のニュースの映像が流れ始めた。それはレッド・ツェッペリンが初めてツアーでアメリカを訪れた時のニュース映像だった。小型ジェット機から降りてくるメンバーの当時の姿が映っていた。そして、当時のアナウンサーの声で各メンバーの紹介が始まるとその映像に合わせ、今の彼らがステージ右後方から、シンプルに、何の仕掛けもなしに登場してきた。ドラマーはもちろん、ジェイソン・ボーナムだった。


Photo:Ross Halfin_Getty Images


我らがジミー・ペイジはビシッと決まった黒いスーツを身にまとい、黒いサングラスをかけ、白髪をなびかせながら、まるで壮年のファッション・モデルのようなスタイルで登場。それはカヴァーデイル・ペイジやペイジ・プラントの時とはまったくの別人のようだった。完璧にシェイプされた体型、それは現役バリバリのロック・ギタリストの姿だった。やはりジミー・ペイジ本人にとっても“レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジ”は特別なものなのだということが一瞬でわかる登場シーンだった。そして私も、そうであって欲しかった。


そしてライブが始まった。以下、全曲についてコメントしてみよう。なお、ことわりのない限り使用ギターはギブソンのサンバースト・レス・ポールで、おそらくは58年製か59年製と思われるが、正確には判断できなかったのでご容赦願いたい。

1. Good Times Bad Times(グッド・タイムズ・バッド・タイムズ )

大盛り上がりの中でスタートしたライブの1曲目、モノトーンのかっこいいライブ映像をバックにパフォーマンスが始まった。憶測ではあるが、久々ということもあり、多少メンバー間でグルーヴを探っている様子。ロバート・プラントも暖機運転のようなボーカルで、のどが温まってくるのを待っているようだ。

しかしペイジのギター・サウンドは、このライブに賭けていたかのようで、最初から全開! この時点ではこの後、何曲パフォーマンスするのかわからなかったため、果たして最後まで持つのか、または顔見せ興行的に1時間ぐらいで終わってしまうのか、心配してしまうぐらい激しいギター・プレイだった。世界中の誰しもが知っている往年のそのリフは、まさにオリジネイターが目の前で今、演奏しているのだ。1音1音が尊く、鳥肌が立ってきた。

意外にもジェイソンの正確で力強いドラム・サウンドが功を奏し、ペイジがより自由に感性で演奏しやすくなったような感じを受けた。ロック・サウンドとして不思議にマッチしていてなぜか心地いい。フランジャーたっぷりのソロは往年のギター・サウンドそのもの。

予想はしていたが、やはりCDに忠実に弾くわけではなく、ライブならではのグルーヴ感を重視したメロディ・ラインを演奏。ひょっとしたら、各曲のソロは、何年のどこで演奏したリフかというのを意識していて、わかるファンはわかる!というマニアックな意図が入っているのかもしれないと感じた。残念ながら僕はそこまで瞬時に判断することはできなかった。今後ひょっとしたらリリースされるかもしれないこのライブ映像をチェックして皆さんの耳で確かめていただきたい。

2. Ramble On(ランブル・オン)

引き続きレス・ポールでの演奏となった2曲目。バックの映像もカラーになり、サイケデリックなCGとマッチして非常にカッコイイ。1曲目でつかめたようで、ロバート・プラントもスタンドマイクを持って動き始めた。

静かに始まる曲ではあるが、そのカッティングは力強く、次のメロディ展開を想起させる。そして、サビの部分に来ると会場も一体となって「RAMBLE ON!」と歌い始めた。そこに裏から入ってくるジミー・ペイジのギターはまさに“ギンギン”。たぶんギンギンという言葉はここから来ていると思った瞬間である。「こんなにも尖った音だったのか!」と驚かせるサウンドだった。ひょっとしたらこれが200ボルトのパワーなのかもしれない。本当に痛く、セクシーな音である。

3. Black Dog(ブラック・ドッグ)

ライブ当日の夜BBCニュースのエンディングで公開された曲。3曲目にしてこのセレクト、会場は早くもヒートアップのピークに達する。“そうあってほしい”と願うままのサウンドは2万人が「Ah Ah……」と歌いだしてしまうほど官能的なものだった。

ジェイソン・ボーナムが力強く叩くほど、ジミーも渾身のピッキングで負けじとパワーアップしていく。このライブ中のペイジは「バランスなんか気にしない」と言わんばかりに弾きまくる。なお、個人的な感想であるが、オリジナルに比べると変拍子の変わり目が強引で、わかりやすすぎる印象を受けた。もし今後このメンバーでライブを行なっていくことがあれば、どんどんナチュラルなグルーヴになっていくのであろうから、それが楽しみだし、それを期待させるパフォーマンスではあった。

4. In My Time Of Dying(死にかけて)

ここでギターをギブソンES-350Tに持ち替えて、圧巻のボトルネック奏法。とにかく弾いてる姿が圧倒的にカッコイイ。

ジミーのボトルネック奏法はロー(低音)でバンバン押してくる。ゆっくりしたリズムから入って徐々に上がっていく感じにドキドキしっぱなしの1曲。最後にまたゆっくりに戻る。何かスポーツをしているような印象だった。自分が今高校生なら、明日にでも楽器屋に行ってバーを買い真似したくなる演奏だった。

5. For Your Life(フォー・ユア・ライフ)

今回ライブで初めて演奏された楽曲。80年代ロックナンバー風の楽曲は、ホワイトスネイクにもしジミー・ペイジがいたらこんな感じなんだろうなと思わせる不思議な楽曲だった。リフ自体はカッコいいのだが、音質がレス・ポール・スタンダードに比べロマンチックではなく、今っぽく現実的。もしこの4人で新曲を出すとすれば、こういう曲になるのかもしれないと思った。往年のファンにとっては一息と言ったところでしょうか。

使用ギターはレス・ポール・カスタム・ブラック・ビューティ。

6. Trampled Under Foot(トランプルド・アンダー・フット)

ジョン・ポール・ジョーンズがキーボードのところに行き軽快なリフを弾き出す。日本の音楽シーンにも多大な影響を与えた楽曲。個人的にも大好きな1曲だ。

ジャケットを脱いだペイジが間奏でワウとオクターバーを使ったオクターブ奏法を披露。最近ではめっきり見なくなった演奏方法だが、ペイジがやると本当に楽曲にマッチしていて粋だった。ディストーション・サウンドをある方向に追求すると、クリーントーンに聴こえてくる典型の音質だった。

7. Nobody's Fault But Mine(俺の罪)

前曲に続きスタンダードを使用。フランジャー感溢れるリフはエフェクトの掛かり具合がたっぷりで振り幅が大きく、本家ならではといったところ。こういうエフェクトは照れちゃ駄目なんですね。勉強になります。

全員がジェイソンの前に集まりセッションしているような、バンド感のある1曲。途中、ロバート・プラントのハープが入り、70年代感がプンプンに漂う。


Photo:Kevin Westenberg_Getty Images

8. No Quarter(ノー・クォーター)

天井からトラスのセットが下がってきて、LEDには木星のような映像が出現。幻想的な世界が表現された。

ペイジはイントロからワウを使いながら、ゆったりとしたリフを披露。一瞬にしてブルース感溢れるグルーヴが出現した。ギター・テクニックとしては古い奏法ではあるが、ジェイソンのドラムと後ろの映像にマッチして、本当に新しく聴こえてくる。永遠に弾き続けるかのように感じさせる間奏は、さらに深い幻想的な世界を現出、テルミンも少しだけ披露した。目の前に宇宙が広がるようだった。

9. Since I've Been Loving You(貴方を愛しつづけて)

ペイジが物悲しい旋律を引き続けたこの楽曲。チョーキングってこう使うんだよな…と改めて考えさせられるパフォーマンス。似た楽曲がジェフ・ベックにあるが、こちらの方が圧倒的に音が色っぽい。

10. Dazed And Confused (幻惑されて)

曲の前半はボリューム・コントロールでのバイオリン奏法で幻想的な世界を表現。途中からワウを駆使したリフの展開。そして間奏から、レーザー光線が天井から差し込んでくると待ちに待っていた弓を使っての演奏が始まった。最初はオーバーアクションで会場へアピール。観客は大喜び! そして、徐々に弓のタッピングを速くしていき、幻想的な世界に観客をどんどん追い込んでいく。まさに彼がギター・ヒーローであることを再認識させられるパフォーマンスだった。

11. Stairway To Heaven(天国への階段)

ペイジにとって、そしてオーディエンスとってダブルネック(ギブソンEDS-1275)は特別なもの。一瞬会場を真っ暗にしたのもこのダブルネックをよりドラマチックに登場させるためであった。

個人的にはもう少しレコードっぽく弾いて欲しかったが、ライブでの盛り上がりを考えると手癖バリバリの濃い演奏の方がより感情的で良いのであろう。イントロが始まった瞬間、この曲に対しての会場中の大きすぎる期待がペイジ本人にも伝わったようで、ほんの少し緊張している感じを受けた。しかし、それは本当に一瞬で、オリジネイターがこの曲を弾いているという事実が次の瞬間理解できると、すべてが感動に変わるのである。

ロマンチックにライターに火を着ける観客が現われ、合唱が始まる。後半のギター・ソロはさらに圧巻。背後のLEDに映し出されたペイジは、かつてビデオに収録されていたようにダブルネックと共に左右対称に映し出され、よりマニア心に火を着けていった。ここはロンドン、レッド・ツェッペリンのホームタウン。この会場に入れて良かった。これは夢ではない。


Photo:Kevin Westenberg_Getty Images

12. The Song Remains The Same(永遠の詩)

ひき続きダブルネックを使っての演奏。軽快なイントロをバリバリに弾いていく。多少のミスピッキングはあるものの、もともとライブでは、正確性よりもテンポやグルーヴを大事にするギタリストだけに納得の演奏だった。

13. Misty Mountain Hop(ミスティ・マウンテン・ホップ)

ジョン・ポール・ジョーンズのキーボードがラジカルなリフを奏で、70年代サイケデリックのおしゃれな雰囲気に。ペイジもこの楽曲に関しては歌ものと割り切ってグルーヴだけを表現し、ポップな味を醸し出していた。

14. Kashmir(カシミール)

本編ラストのこの曲ではシャンパンレッドのレス・ポールを使用。ジェイソンのドラムと相まって、“レス・ポール感ギリギリ”の非常に現代的な音質に仕上がっていました。

今回の演奏では本来この曲が持っているドロドロ感はなく、映画のサントラのような壮大な楽曲として表現。ギターよりも圧倒的にボーカルが立つ曲で、ラストをこの曲にするところは,ボーカリスト、ロバート・プラントに対するペイジのリスペクトが感じられる納得の1曲だった。

~アンコール 1~ 15. Whole Lotta Love(胸いっぱいの愛を)

意外にもアンコールではパフォーマー(自動チューニング・システム)内蔵のレス・ポール・ゴールドトップで登場。

ギターを持ったことのある人なら誰でも一度は弾いたことのあるリフがスタートする。熱狂する観客、そしてクールにリフを弾き続けるペイジ。これぞZEPのライブ。間奏では、レーザーが輝き、スモークが立ち込める中、ペイジはテルミンを操る。往年のプレイによる幻想的なサウンドにしばし没頭。 ボーカルとギターのコール・アンド・レスポンスではレコードとは違い感性で演奏。ペイジのギターも歌っていた。

~アンコール 2~ 16. Rock And Roll(ロックン・ロール)

再度登場しジェイソンの前に3人が集まるとドラム・カウントがスタート。この段階で曲がわかると会場は熱狂の渦。この日、最速のスピードでギターをかき鳴らすペイジもノリノリ。リフやソロ部分の細かいディテールはこの夜限りのものとして、とにかくグルーヴ感重視だった。

「ロックンロールってこういうことでしょう」と言わんばかりの4人の演奏は圧巻。この曲はメロディではなく、バスドラ迫力やミスタッチと思われるようなノイズによって成り立っている奇跡の1曲なのであった。だからアマチュアがカバーしてもオリジナルの雰囲気はなかなか出せないのである。ZEPの復活を謳うにふさわしいラストの1曲だった。


Photo:Ross Halfin_Getty Images


あっという間の2時間。最初の3曲目ぐらいまでは4人のグルーヴがどうなっていくのか自分たちで確認しているような演奏だった。そして4曲目、それが確認し終わると一気に僕たちの目の前に唯一無二の70年代のオーラを放ちながらも最新のグルーヴを持つ2007年版レッド・ツェッペリンが現われたのである。正確で力強く安定しているジェイソンのドラムは、まさに現代サウンドにピッタリ、70年代の楽曲がデジタル・リマスタリングされたような商品価値の高いものになっていた。そして、そのリズムの上でペイジとプラントがオリジネイターとしての責任を果たすため、今まで以上に必死で演奏し必死で歌っていたのである。

再結成されたレッド・ツェッペリンは、残念ながら45歳以上の方々がリアルタイムで体験したサウンドではないのかもしれない。しかし、70年代の音楽がジェイソンというドラマーによって洗練され、最新の音楽として生まれ変わったのである。ペイジはジェイソンが加入することにより何かが融合するのを待っていたのかもしれない。そして今回、それが実現できる時がきて、再結成になったのだと思う。若い人でも十分楽しめ、今のオーディオ機器で聴いても古くさく感じない最高のライブ音源となったに違いない。ジミー・ペイジは必死で弾いていた。ものすごくかっこ良く。グルーヴ感を信じ、感性に任せて、すべてのリフをその瞬間のインスピレーションで弾いていたのだ。

今回のライブは収録のカメラがたくさん入っていた。必ずやライブ映像は発売されるであろう(編集部注:2007年12月時点では未定)。そして2008年6月のグラストンベリーのヘッドライナーにレッド・ツェッペリンの名前が刻まれていることを信じよう。ひょっとしたら夏以降ツアーが行なわれ、日本でも観ることができるかもしれない、という期待に胸が躍る。現地でこのライブを見た人たちは、そこまでこの再結成に確信を強めていた。

(Shinya Sato)


[ワーナー ミュージック - レッド・ツェッペリン紹介ページ]