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楽器数の少ないアルバムから“引き算の美学”を学ぼう

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【第6回】これを聴くとためになる! お薦めCD(2)

パット・メセニーはジャズ・ギターを弾いている人、ジャズが好きな方だったら誰でも知っているくらい超有名ギタリストですが、本作品はジャズという枠を飛び越えた崇高な音楽に仕上がっています。

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『ミズーリの空高く』チャーリー・ヘイデン&パット・メセニー(amazonリンク)

前回同様にポイントを解説したいと思います。

ポイント1 引き算の美学〜空間の心地よさ

このアルバムの音作りは、音を削ぎ落として、本当に必要な音だけを精密な表現力で演奏しているところにポイントがあります。

前回紹介したエアプレイと真逆な音作りですが、エアプレイが無駄な音を演奏しているわけではなく、彼らの音作りは録音物という“製品”を作るにあたって構築していく“足し算の美学”と言えます。これに対して、『ミズーリの空高く』は“引き算の美学”によって作られているのです。

基本はベーシストのチャーリー・ヘイデンとパット・メセニーのデュオ・アルバムなので楽器が重ねられている曲もありますが、アルバム全体に“空間”を感じることができます。つまり、“少ない楽器数で間を大事にしながら曲を演奏している”のです。

ポイント2 ベース&ギターの単音パートを重ねて作る“コード進行感”

「ワルツ・フォー・ルース」を聴いて驚くのは、この曲にはチャーリー・ヘイデンのベースと、パット・メセニーのギターしか入っていないことです。

まぁデュオだから当たり前だろ……と思うでしょうが(笑)、基本的にベースはコードを弾きませんよね。そして、この曲のギター・パートは単音のメロディが中心です。つまり、“同時にふたつの音”しか鳴っていないわけです。

それなのに、この曲を聴いていると“コード進行”を感じることができます。それは、ヘイデン&メセニーのふたりが“最低限の音数でハーモニーを感じさせるための音楽的知識”と、“コード進行を単音のラインで表現できる演奏能力”を同時に持ち合わせているからです。ここが特に素晴らしいですね。

ポイント3 ライブを想定した音作り

何重にも音を重ねたアルバムを作った場合、それをライブで表現する時には“さて、どうやって再現しようか?”と悩んでしまいがちです。しかし、本作のような楽器数の少ないアルバムは、ライブでも完全に再現できます。さらに、本作をライブで聴いた場合、CD以上に音が鳴っていない空間を楽しむことができるのです。

このアルバムでは、生楽器の演奏の良さを心底味わえます。アルバムを最初から最後まで聴きとおした時に、心が暖かい気持ちになるような作品と言えるでしょう。ぜひ皆さんに聴いてもらいたい一枚です。

『ミズーリの空高く』 チャーリー・ヘイデン&パット・メセニー
ユニバーサルミュージック

【収録曲】
1. ワルツ・フォー・ルース
2. アワー・スパニッシュ・ラヴ・ソング
3. メッセージ・トゥ・ア・フレンド
4. ツー・フォー・ザ・ロード
5. ファースト・ソング
6. ザ・ムーン・イズ・ア・ハーシュ・ミストレス
7. プレシャス・ジュエル
8. ヒーズ・ゴーン・アウェイ
9. ムーン・ソング
10. ティアーズ・オブ・レイン
11. 「ニュー・シネマ・パラダイス」~愛のテーマ
12. ニュー・シネマ・パラダイス
13. スピリチュアル

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【加茂フミヨシ・プロフィール】

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超絶技巧を変幻自在に使いこなすギタリスト。スタジオワーク&セッション活動を経て、2005年に1stアルバム『GOOD WAVE』でソロ・デビュー。2006年にFender USAの全面バックアップを受け、2ndアルバム『ノスタルジア』を発表。HMV ジャズ/フュージョン・チャート3位にランクインする。また、COMRADE Recordsのレーベル・マスターやラジオ・パーソナリティーなど、ギタリストの枠にとらわれない多彩な活動を行なっている。


【加茂フミヨシ・DVD/著書】

書籍『ひたすら弾くだけ! ギター・トレーニング』
書籍『ひたすら弾くだけ! アコギ・トレーニング』
書籍『速弾きがうまくなる理由 ヘタな理由』
DVD『DVD版:速弾きがうまくなる理由 ヘタな理由』

【加茂フミヨシ・オンライン動画】

『DVD版:速弾きがうまくなる理由 ヘタな理由』よりデモ演奏「幻想即興曲」と教則シーンのサンプル


[加茂フミヨシ オフィシャルサイト]